還暦展までの1年半、座本先生には作品制作に打ち込まれる一方、嚶嚶誌の編集作業、手本書き、自分の教室での指導と、1日が24時間では足りない日々だったと思います。
作品の中には1枚で完成したものから、それはもう何回も書きに書かれた作品、せっかくの素晴らしい作品でも会場の展示都合で日の目をみなかった作品まで、あの広い会場を埋め尽くす作品群の何倍もの作品を書かれた日々でした。
私の好きな作品でもあります、金箔に書かれた『壽山福海』。金箔に墨がなかなか定着せず、先生が満足のいく字を書かれても、翌日には剥がれるということを何度も繰り返し、今度こそと祈る気持ちで、先生の「うまくいった!」という言葉を待ちました。
会期がそこまで迫っている中、ようやく満足のいく出来に仕上がり、会場の入口を飾るにふさわしい作品となり、胸を撫で下ろしました。
会期中は6月というのに天候に恵まれ、4日間で1000人を超える沢山の方々に足を運んで頂き、たくさんの祝辞、賛辞を頂きました。これも、寺田先生をはじめとした嚶心書道会の皆様、嚶嚶支部長先生方、誌友、芳祥会の皆様のご指導、ご支援の賜物です。ありがとうございました。
座本先生には今後ますますご壮健で、10年後、20年後と素晴らしい作品に会わせて頂けることを願っています。
本当にお疲れさまでした。
